エアバッグの破裂問題による
経営悪化で民事再生法を申請した
タカタの株価が、えらいことになっている。
7月7日の最安値15円から14日高値は153円。
実に1週間で10倍。
一体何が?上場廃止なのにどうして?
タカタ株の経緯
6月15日、タカタの民事再生法の適用が
ニュースに報じられた。
3日間のストップ安を経て、ニュース
前日の終値である484円から一気に
110円まで下落。
その後も順調に価格を下げて、
最安値15円まで下落。
ところがその後、買いが入り
153円の高値まで値上がった。
7月26日が最終売買日となり、
上場廃止となって売買が出来なくなる。
いくら安くなったとはいえ、
今の時点で買うことのメリットが
どこにあるのだろうか。
結論は「無い」
1兆円とも言われる負債を抱えて
民事再生法の適用。
タカタの持つ不動産などの資産を売却しても、
1兆円の負債は返済出来ない。
中国系企業がタカタを買収することが
決定しているが、タカタ株が買収先の
企業と交換されるわけでもない。
あくまで、破産後のタカタを買い取る
という話。
つまり、上場廃止の決定した株を
取得して得する場合があるが、
そのどれにも当てはまらない、ということ。
それなのに、株価は最安値から
10倍にも跳ね上がった。
株価が上がるということは、
売る人よりも買う人の方が
多いから。
なぜ?どうして?
その答えは!?
答えは・・・
正確な答えは「分からない」。
そんな答え、ダメだろ!と
罵声を浴びそうな気もするが。
一般的な見解としては、
「マネーゲーム」ではないかと言われる。
安くなったことで、多くの資産を持つ
機関投資家などが、大量の買いを入れやすくなる。
そして、価格が一気に上がり、
個人投資家が「ん?タカタってまだ上がるのか?」
と思って、追加で買いを入れる。
更に値が上がったことで、機関投資家は
一気に売り抜け、利益を得る。
短期売買で利益を得ることが目的で、
タカタの将来を期待して、などという
思いはまったくない。
個人投資家が手を出すと、
痛い目にあう例だ。
ちなみに、このようなマネーゲームに
なるのは、上場廃止が決まった
大型株にはよくある話。
個人投資家としては参加を控えた方が
いいが、よく知る投資家であれば、
短期で利益の出せる場でもあるだろう。
タカタ株はもう売買出来なくなる
今からマネーゲームに参加しようと
思っている方も、そうでない方も。
7月26日の売買を最後に、
タカタは株式市場から姿を消す。
会社は存続するが、あくまで
リコール対応の為の会社。
民事再生法なので、現経営陣が
残る形にはなるが、利益を出して
成長していく会社ではない。
これからはタカタがどうなるかという
話よりも、車業界の中でシートベルトや
エアバックといった分野をどこの会社が
取っていくのかに注目が集まる。
新しくシェアを取る会社が出てくるのか。
それとも、各車メーカーが自社製造をするのか。
業界図が大きく動くのは間違いない。