「サントリー食品インターナショナル」
が、海外の食品加工子会社を売却。
今日はこんな記事からだが、
サントリーという会社、
実は上場していない。
サントリー食品インターナショナルは
上場している。
少し整理してみよう。
サントリーという会社
持株会社となっている中核企業が
サントリーグループホールディングス。
そのサントリーGHDが、上場していない。
傘下の子会社であるサントリー食品
インターナショナル(以下、SBF)
が上場している。
上場しているSBFは清涼飲料水が
中心の会社。街中でよく見かける
青い自販機が思い浮かぶ。
ビール事業や洋酒事業は含まれない。
アルコール関連は、また別の傘下子会社。
さて、そんなサントリーだが、
上場している子会社のSBFで
海外子会社の売却が報じられた。
未上場のサントリーGHDの子会社で、
上場している子会社SBFの、
またさらに子会社の売却。
とても分かりにくいが。。。
ご理解いただけるだろうか。
ご理解いただけたという前提で、
話を進めよう。
子会社を売却の理由は?
SBFは清涼飲料水が中心。
しかし、子会社等で清涼飲料水が
あまり関係の無い、食品関連の
子会社も数多く存在する。
今回は海外の加工食品子会社だが、
1年ほど前にも、ハンバーガー屋の
子会社を売却している。
サントリーGHDの発表では、
「清涼飲料水との親和性が
あまり無い。企業として
選択と集中を行う」とコメント。
つまり、「いろんな事業に手を出したけど、
やっぱり本業一筋でいくわ!」
ということ。
最近の大企業の流行りの
ようなものである。
ちなみに、同じく「選択と集中」
をすすめるJTこと日本たばこ産業も、
「Roots」や「桃の天然水」などの
清涼飲料水ブランドを売却している。
そのブランドを買ったのがサントリー。
全くもって複雑な話だ。
なぜ上場しない?
サントリーGHDの売上は2兆円を超える。
上場していてもおかしくないのに。
しかし、「上場しない」という選択肢が
あることも事実。
上場していない大きな企業は
他にもいくつかある。
建設分野で「竹中工務店」。
ファスナーの会社の「YKK」。
旅行代理店の「JTB」。
まだまだあるが、海外の会社もみてみよう。
名古屋にオープンした「Lego」。
高級時計の「Rolex」。
大きな店舗の「IKEA」も未上場。
そもそも、上場するメリットは
資金調達と知名度の向上が大きい。
サントリーなどは、資金調達を
ほぼ借入で賄っている。
知名度は、既に申し分ない。
なので、わざわざ上場する必要がない。
それでも、証券会社などから
「上場しましょう!」と営業されているはず。
上場するデメリットは、見知らぬ株主に
経営に口出しされること。
それを避けたい、いわゆる創業家が
大きな力を持っている場合が多い。
大企業の上場は話題になる
私が証券マンをしていた時代にも、
上場していない大企業の上場があった。
出光興産や、リクルートなど。
今でも思い出すが、なぜ今になって?
と疑問を抱いたものである。
ちなみに、佐川急便も上場していないが、
近く上場をする予定。
理由は経営の透明化だそうだ。
なるほど、そんな理由であれば
納得がいく。
投資家からすれば未上場企業は
対象外の会社になるが、
経済全体や業種別の業界動向を
知る上では必要な知識だろう。
知っていて損はない。
まぁ、あまり得することもないが。