あるニュース記事によれば、
世界経済の成長が鈍化するという。
その根拠は、世界経済見通しから。
世界銀行が毎年発表しているもの。
内容とともに、世界銀行の
概要もおさらいしておこう。
世界銀行って?
世界銀行。なんと大それた
名称なんだろう。
その名の通り、世界各国を
相手に展開する銀行、と思えばいい。
銀行の本業は金貸しなので、
やはり内容は同じ。
世界各国の様々な国へ資金を
融資し、その金利で成り立っている。
設立は1945年と歴史は古く、
現在まで黒字経営を続けている。
もともとは加盟国からの
出資金で成り立っており、
加盟国は189カ国。
つまり、ほぼすべての国が
加盟しているという組織となる。
アメリカはワシントンに
本部を構える。
その組織形態から世界各国の
情勢を捉え、その研究成果を
発表しているような国際機関。
そして、その研究というか
統計というか、その中で
注目を集めるのが世界経済見通しと
呼ばれるものだ。
世界経済見通しとは
その名の通り、世界経済が
今後上振れるか下振れるかを
予測数字として発表しているもの。
それが1月初旬に改定された。
しかも、下方修正された。
もともとは2017年、2018年を
ピークとしてその後は成長率が
下がる予測を出していた。
もともと下がる予測だったにも
かかわらず、今回は下方修正。
つまり、成長が鈍化する割合が
当初の予測よりも下がりましたよと。
下がるということは、それだけ
世界経済が悪くなるというイメージ。
ただし、正確に言えば成長は
続ける。成長の幅が小さくなるだけ。
なーんだ、いいじゃん!という
気もするが、成長鈍化は様々な
投資対象にも影響すると言える。
例えば株式相場などは、経済の
先取り指標と呼ばれる。
今後成長していくと思えば
株価が上昇することを見越して
株が買われる。つまり株が上がる。
ところが、先行き不透明、もしくは
下がるだろうという予測になれば、
株は売られ株価は下がる。
今回の下方修正は、やはり
株価などの先行きを占ううえで
重要といえる。
成長鈍化の原因は?
世界銀行の発表によれば、
一番影響が大きいのは
米国と中国の貿易戦争らしい。
様々な商売において、この貿易戦争
による影響が出始めるという。
今までの商売に、高い関税がプラスされ
輸出入の経費がかさむ。
米国企業と中国企業が直接的に
アオリを受けて、双方の国の
経済に打撃が走る。
米国と中国の経済が減速すれば、
2大国を相手に輸出入をしている
各国の企業にも影響が出始める。
すると、近隣諸国や発展途上国にも
影響が広がる。
連鎖の影響を受けて、様々な
国の経済に影響が出始めるというもの。
2019年が下方修正されたが、
2020年以降も鈍化の予測が出ている。
ただし、逆に言えばこの貿易戦争が
解決に向かえば、世界経済の成長が
戻る可能性もある。
大きな流れを掴むうえで、
参考とする数字としておこう。
日本は世界銀行からいくらくらい資金を融通してもらっているんでしょうか?
今までの累計は8億6300万米ドル。日本円で800〜900億円ってところですね。
31件のプロジェクトで借り入れをした合計額です。
世界銀行の日本版ホームページには
31件のプロジェクトすべてを詳細付きで公開しています。
ちなみに、借りたお金は1990年に返済し終えており、現在では借入額はゼロ。
世界銀行への出資を通じて、他の新興国を手助けしている立場ですね。