次々と企業買収を繰り返している
RIZAPグループが、今度は
サンケイリビング社を買収。
買収を繰り返すことで
企業価値を向上させているが、
決して成功ばかりではない。
買収した企業たち
買収した企業の数は、
ざっと20を超える。
今までで大きくニュースに
なった買収企業をいくつか
見てみよう。
まずはマルコ株式会社(9980)。
女性用体型補正下着や
化粧品の訪問販売会社。
東証2部の上場企業だが、
近年では赤字が続いていた。
ところが、RIZAPによる
買収で傘下入りし、黒字転換。
本体事業とのシナジー効果が
うまく出た買収といえよう。
そして、地域情報誌の発行の
ぱど(4833)。
この企業も業績不振に悩む。
赤字を繰り返しているが、
今期は黒字化を見込んでいる。
さらに、マザーズ上場の
夢展望(3185)。
F1〜F2層を対象にEコマース
市場を狙う企業だが、5年ほど
前に上場してから黒字化をしていない。
だが、今期は初の黒字化を
予定している。
買収企業は黒字化
上記の企業を見れば、
RIZAPグループが買収している
企業は、赤字から黒字へ
転換する企業。
つまり、赤字の時点で安い
株価のうちに買収し、早い段階で
黒字化することで株価を上げ、
グループ全体の利益を向上させている。
この手法がRIZAPグループの
企業を急成長させている要因と
されている。
なので、RIZAPに買収された企業は、
投資家から見れば近いうちに
黒字化するんじゃないかという
期待から上昇する傾向にある。
だがしかし、そうならなかった
企業も存在している。
そんな、買収失敗っぽいのが
ジーンズメイト(7448)だ。
買収された当時は話題を呼び、
株価もぐんぐん上昇した。
ところが、思った以上に
利益が伸びず、今のところは
赤字が続いている。
ジーンズメイトの投資家向け
資料では、来期は黒字化を
目指しているとされている。
だが、いまいち不透明な
収益計画で、期待されるほどの
スピードもない。
来期に黒字化をする可能性も
十分にあるが、現在の見立てでは
買収が失敗した、という雰囲気。
これで、飛ぶ鳥を落とす勢いだった
RIZAPの株価も、ここにきて急下降。
一時は3,000円台まで上昇していた
株価は、今では1,500円以下。
やはり、買収による企業価値の
向上は難しい、といった印象だ。
今回の買収は?
今までの買収で成功しやすいのは、
やはり収益の柱でもあるRIZAPの
客層にマッチしているところ。
ジーンズメイトなどは、シナジー
効果が出しにくい異業種となり、
黒字化までの道程は長い。
さて、今回の買収はサンケイ
リビング新聞社。
ぱどと似たような紙媒体の企業で、
サンケイと名のつく通り、フジサンケイ
グループの企業。
ぱどはうまく黒字化しそうな
勢いだが、果たして今回はどうか。
というより、むしろ今回の
買収は、サンケイグループとの
関係強化が目的ではないか。
産経グループの中核には
フジ・メディア・ホールディングス、
いわゆるフジテレビがいる。
電波メディアの力を有利に
使えるようになるという
憶測からか、買収発表で
RIZAP株はストップ高となった。
様々な手を打ってくるRIZAP、
今後も動きに注目が集まる。