リクシルの株価が急激に上昇した。
もちろんちゃんとした理由もあるし、
納得のいくものだ。
さて、急上昇した理由とは?
そして、どうやって投資に活かす?
リクシルという会社
もう馴染みになっただろうか、
このリクシルという社名。
古い人間は、未だに
ピンと来ない人も多い。
というのも、実はいくつかの
会社が合併して出来上がった会社。
設立当時は住生活グループという会社で、
そこから紆余曲折を経てリクシルになった。
中心となった企業は、トステムという会社。
この社名は聞いたことがあるだろう。
システムキッチンなどを手掛けていた会社で、
テレビコマーシャルも数多く放送されていた。
そして、一緒になった、つまり
吸収された会社の大きなところは以下の通り。
株式会社INAX
新日軽株式会社
東洋エクステリア株式会社
なんとなく聞いたことのあるような
企業が並ぶが、今現在はリクシルという
会社の一部になっている。
上場しているのはリクシルグループ
だが、その中核を担う企業がリクシル。
1兆円前後の売上を持つ、まあ
巨大企業だと思ってもらえばいい。
そんな会社が、実は最近まで
揉めに揉めていた。
リクシルお家騒動
お家騒動という言葉を
ちょくちょく耳にする。
お家とは会社内ということで、
つまりは社内のイザコザのことを指す。
有名なお家騒動は沢山あるが、
会社を作った創業一家と、
現在会社を経営する取締役などの
経営陣との衝突。
創業一家の気持ちになれば、
「この会社は俺たちが作ったんだから、
俺たちの言うことを聞けよ」という感じ。
一方の経営陣は、「上場しており
会社は株主のものになっている、
創業一家はもう関係ないよね?」という感じ。
まあ、どちらの言い分も
分からないではないが。
そんなイザコザがあれば、
実際の経営、つまり業績拡大に
注力できないだろう、と投資家は考える。
結果、お家騒動真っ最中の企業の
株価は、業績拡大が見込めないので
売られて下がる、という図式。
株主からすれば、創業一家でも
現経営陣でもどっちでもいいから、
業績拡大に注力しろよ!となる。
そんなお家騒動が、先日の
株主総会で一段落した、というニュース。
これでお家騒動ではなく
本業に専念するだろうとの
期待感から大きく株価を上げた。
さて、ここで考えて欲しいのは、
先行き不安がある企業の不安材料が
無くなれば、株価が大きく上がると言うことだ。
お家騒動の企業を探せ!
このお家騒動は、実は結構あったりする。
大塚家具など、実の父親と
娘との経営権争いは記憶に新しい。
上場はしていないが、お口の恋人
ロッテなんかも、長年にわたって
お家騒動を繰り広げている。
少し形は異なるが、大株主である
親会社と子会社との騒動もある。
少し前にニュースなどで
取り上げられていた、伊藤忠と
デサントという会社のやり取り
などがこれに当たる。
会社が大きくなればなるほど、
その利権というか覇権というか、
その争いが勃発する。
投資家はこの利権、覇権争いを好まない。
争い中の企業は敬遠される。
ところが、投資家が嫌いな
お家騒動が収束すると、たちまち
投資家が好む企業に姿を変える。
こういうメカニズムを覚えておけば、
お家騒動などで株価が下がっている
株を買っておいて、じっと待つという
投資が可能となる。
もちろん、業績が悪くないことが前提だが。
そんな見方ができるようになれば、
ニュースでお家騒動が報道されると
気になってくるはず。
もちろん、投資判断は自己責任だが、
1つの投資手法として覚えておこう。