コンビニ大手のファミリーマートが
伊藤忠に1200億円で買収される。
しかし、知っている人は思う。
今さらなんで?と。
コンビニ業界の資本関係を
再確認し、今回の子会社化の
真意を探る。
コンビニ大手の資本関係
コンビニ大手といえば、
セブンイレブン、ローソン、
そしてファミマの3強。
セブンイレブンは、親会社は
言わずと知れたセブン&アイ
ホールディングス。
ローソンの親会社は三菱商事。
ファミマの親会社は伊藤忠。
セブンは百貨店で成長した企業が
やっている。
ローソンとファミマは
総合商社がやっている。
まぁ、この辺はなんとなく
知っておけばいいだろう。
一昔前はサークルKやAMPMなど
他のコンビニ会社もあった。
業界再編で統合を繰り返し、
現在の3強になっている。
子会社化している現状
3強だったコンビニ。
それなりに成長を続けていた。
親会社に関係なく、単独で
十分な利益をあげていた。
にも関わらず、親会社が次々に
コンビニのグループ子会社を
買収し始めた。
理由は大きく二つ。
ひとつは、店舗拡大による
売上増加に歯止めがかかった。
コンビニ店舗数は順調に
増加を続けていたが、ここ
2〜3年で増加数が失速。
飽和状態と言われている。
確かに、ちょっと探せば
コンビニがあるという状況
にまで増えている。
ここから新たに店舗数を増やす
というのは現実的ではなく、
近年では客単価アップに
戦略を転換してきている。
コーヒーをおいたり、ドーナツを
おいたり。プライベートブランドも
展開していた。
客数の増加、客単価の増加は
一段落し、更なる成長の余地が
なくなってきたことが要因のひとつ。
そして、ただでさえ成長が鈍化して
いるところに、大きな敵が現れた。
それは、Amazonなどが展開する
無人コンビニだ。
現段階ではアメリカで実証実験
の段階だが、近々にも日本に
やってくるとされている。
無人コンビニは人件費が
掛からない分、商品価格は
安めに設定される。
すると、既存のコンビニの
売上に影響を与えるだろう
との見方が大きい。これが二つ目の理由。
この二つの理由があって、各親会社は
更なる成長と強大な敵に対する
対抗策を打つべく、子会社化した。
具体策はあるのか?
子会社化したからには、
具体的なシナジー効果を
求められる。
伊藤忠のコメントとしては、
「ビッグデータや人工知能(AI)などの
デジタル技術の活用によって、
店舗での生産性や効率を上げることを狙う」
「金融や電子商取引、金融と情報技術(IT)
を組み合わせたフィンテックなどの
新規事業を創出する」
など、大まかな方向性は発表
されているが、具体策ではない。
おそらく、具体策が決まっていない、
というより決められないのだろう。
AIやフィンテックなどは今でも
最新分野で、事例が少ない。
取り入れた結果、ダメでした
という場合も十分に想定できる。
ダメでした、の場合には
単純にお金がかかる。
だからこそ、親会社と一体となり
数々の実証実験を、費用を気にせずに
行っていくことで新しい活路を
見出すことが大きな子会社化の目的だ。
コンビニ業界の戦いは、
更に熱を帯びてくるだろう。