昨晩の株式相場は大きく下げた。
その発端となったのも、貿易摩擦。
テレビのニュースなどでも
取り上げられるので、知っている
人は多いだろう。
さて、その中身や今後の行方に
ついてのおさらいを。
ことの発端
そもそも、貿易摩擦とは
どんなことを指すのか。
貿易、いわゆる輸出とか輸入とかで
それぞれの国の言い分が違って、
喧嘩みたいになることを言う。
今回の米中の貿易摩擦は、
実はもともと計画されていた。
中国のあまりにも行き過ぎた
技術侵害等を是正するために、
アメリカが仕掛けるとされていた。
確かに、中国の侵害はひどい。
ドラえもんそっくりのキャラクターが
堂々と遊園地にいたりする。
それでいて、ドラえもんではない、
パクリではなくオリジナルだと
主張する。
さすがにそれはないだろ、という
批判が相次ぐが、これに対して
中国政府は容認してきた。
この傍若無人なやり方を批判するのは
アメリカだけではない。日本も同様。
なので、日本としては今回のアメリカの
対応は、内心では「もっとやれ、
引くな引くな!」である。
貿易摩擦の内容
今回の貿易摩擦と呼ばれるものは、
関税の掛け合い。
アメリカが、中国からの輸入品に
高い関税をかけた。
中国製品は輸入されても関税の
せいで仕入れが高くなるので、
別で調達したほうがいいよね、となる。
すると、中国製品が売れなくなり、
代わりにアメリカ国内の製品が
売れるようになる、という考え。
そして、そんな対応をされた中国も
報復とばかりにアメリカからの
輸入品に高い関税をかけた。
ものにもよるが、双方の国から
輸入するよりも、他国からの輸入や
自国で賄ったほうが安くなる。
報復関税をかけた中国に対して、
アメリカは更に他品種において
関税をかけ始めた。
現在はここ。
そして、今度は中国の報復関税の
第二弾の発動が予定されている。
このままこの流れが続けば、
極端な話だがアメリカと
中国の国交が断絶する。
下手をすれば、これがきっかけで
戦争にまで発展するのでは、という
見方もあったりする。
大国同士の覇権争い
こんなやり取りの背景には、
中国の国力がぐんぐん上昇しており、
アメリカを抜く勢い、というところがある。
アメリカは、世界で一番の国として
その地位を守りたい。
一方の中国は、トップに君臨する
アメリカの椅子を虎視眈々と
狙っている。
何もせずにほっておけば、
2030年代には中国のGDPが
アメリカを抜くと推測されている。
指を加えて黙っているアメリカではない。
今のうちに出る杭を打っておこう、
ということで、今回の関税措置。
ボス猿の地位を狙う青年猿。
番長の座を狙う不良。
社長の座を狙う専務。
下剋上といえばそれまでだが、
この争いが長引き、拡大すれば
世界経済に大きな影響を与えると
されている。
長引いて拡大したら、どうなる?
この争いが長引き、拡大すると
一体どうなるのか。
米中間でのものの行き来が
減少していき、両国の経済成長が
鈍化、または減退する。
両国だけで済めばいいが、周辺の
国々を巻き込んでの関税措置が
発動されることで、様々な国同士の
輸出や輸入が減退する。
こうなってくれば、もはや
世界経済の停滞、もしくは
下降につながる。
そして最悪のケースは、大国同士の
戦争勃発。
そこまではないだろーという
意見も多いかもしれないが、
可能性はある。
歴史的に見ても、覇権争いで
戦争に発展したケースは多い。
某レポートによれば、歴史上の
覇権争い16例のうち、実に12例が
戦争に発展した。
仮に戦争に突入すれば、大国同士の
戦争となり、規模は計り知れない。
双方とも核保有国。そして
軍事規模もトップレベル。
歴史上で最も大きな戦争に
なる可能性が高い。
そんな懸念を抱えた出来事が
今回の貿易摩擦。
注意してみておこう。