銀行が自ら運用する資産が、
大きな損失を出しているという。
あれ?銀行ってプロじゃないの?
と思う方も多いかもしれないが、
銀行の本業はあくまで融資業務。
資産運用とは違う畑なのだ。
それでも資産運用をする銀行の
状況をみてみよう。
銀行が資産運用で失敗!?
銀行の決算発表の中身で、有価証券の
損失が浮き彫りになった。
銀行の監督官庁である金融庁は、
銀行の有価証券運用の監視体制を
強化するとともに、一部の銀行には
立ち入り検査まで実施したという。
中でも損失額が大きかったのは静岡銀行で、
米国債の売却損失が約370億円にも
のぼった。
ただ、金融庁は損切りによる売却損は
あまり気に留めていない。
むしろ、含み損失を抱えており、
売るに売れずにそのまま損失を拡大
させている銀行が問題らしい。
銀行の運用担当の様子
銀行の運用担当者は、その道のプロではない。
プロである証券会社や外資系銀行から
売り込まれた金融商品をそのまま購入
しているだけ。
運用担当者の成果は、もちろん運用益を
どれだけ出せたかというもの。
ここに、悪知恵が働く。
例えば、値上がりして利益の出る商品と
値下がりして利益の出る商品がある。
その両方を購入し、利益の出た方を売却し、
利益を確定させることで「運用成果」を出す。
損失の出ている商品は、売却しなければ
損失も確定しないので、そのまま保有し続ける
という具合。
含み損失を抱えた商品が着実に増えて
いるとし、このような手法を是正しようと
金融庁が動いたようだ。
銀行の運用体制の変化
銀行はお金が集まるところなので、
運用自体は昔から行っている。
ただし、本業はあくまでも融資業務で、
運用で利益が出ても「オマケ」程度だった。
なので、積極的な利益の追求ではなく、
安全資産で若干の利息が出ればそれでいい、
誰でもできる運用しか行ってこなかった。
例えば、国債の購入など。
年間で1%前後の利益が出れば、
それで十分だった。
ところが、マイナス金利の導入などで
銀行の儲けが減り、その補填として
運用成果を求められた。
日本国債よりも金利の高い外国国債を
証券会社より勧められ、購入。
トランプ相場で株式は上昇したが、
金利も上昇し、債券価格は下落した。
まぁ、ここらへんは勉強している人なら
理解できると思う。
銀行は、積極的に買い進めた外国債券で
大きな損失を出した。
しかし、一部の銀行は損失を受け入れず、
そのまま放置しているという。
知っておきたいことは
今回のブログで知っておいていただきたいことは、
金融機関=投資のプロではないということ。
ちなみに、私自身は証券会社の出身だが、
証券会社もプロではない。
いや、言い方を変えよう。
金融機関はプロだが、必ず運用で
成功するわけではない。
証券会社が勧める商品ならまだしも、
銀行が勧める商品を「プロが言うのだから」と
信用しきって購入することは良くない。
銀行が販売している投資信託などは、
決して「粗悪」な商品というわけではないが、
儲かるかどうかは別の話。
銀行が勧める商品の内容を十分に理解し、
納得がいってからの購入をするようにしよう。
勧められるままに購入するのは、
証券会社の言いなりになっている
銀行の運用担当者と同じだと肝に命じておこう。