ネット記事でも大きく
取り上げられている、ヤフーと
アスクルとの対立。
双方とも聞いたことのある
知名度の高い会社なだけに、
その動向が注目される。
今回は、そんな騒動の内容を
振り返っておこう。
ヤフーとアスクルの関係
まずは背景として、両社の
関係を見てみよう。
双方とも上場会社ではあるが、
企業規模は大きく異なる。
アスクルは直近の売上で
3800億円と、それなりに
大きな企業。
一方のヤフーはもっと大きく、
9500億円と1兆円の大台に
乗ろうかという規模。
そしてなんといっても、
ヤフーの連結子会社に
アスクルが存在しているという事実。
今回の騒動も、この関係が
事の発端となっているので、
十分に理解しておこう。
ちなみに、アスクルはもともとは
文具メーカーのプラスという
会社の一事業部がスタートだった。
プラスの子会社から独立して
展開していたが、その成長戦略の
中でヤフーとの資本業務提携を締結。
流通に強みを持つアスクルと、
集客に強みを持つヤフーの利害が
一致したことでの提携と見られている。
単なる業務提携でも良かったが、
アスクル側の資本調達の希望も
あって、資本業務提携となった。
だが、この資本業務提携が
今回の騒動を産ませた。
資本業務提携って?
通常、会社と会社が手を組んで
事業を展開する際には、
業務提携と呼ばれる契約を締結する。
内容は、簡単に言えば「こんなことを
一緒にしようね。そのためにルールを
作ろうね」といったもの。
例えば、AくんとBくんが一緒に
お菓子屋さんを始めたとする。
お互いに資金を出し合って、お菓子を
作る機械を買ったり、売り場を
借りたりする。
その代り、儲かった分に関しての
配分は、先に決めておこうね、と
いったようなもの。
一般的には資金を出した割合で
収益を按分する。
ところが、今回のように資本業務提携
となれば、話は全く違ってくる。
Aくんが資金を出し、Bくんが手伝う
というような構造になる。
当然、リスクはAくんの方が高いので、
その分の収益按分はAくんの方が
大きくなる。
Aくんが資金を出してBくんが手伝う。
少し視点を変えれば、AくんがBくんを
雇うという形になる。
すると、主従の関係となり、
Aくんの方が立場が高くなる。
お金をだしているので、
この関係は当然のことと言えるだろう。
今回の騒動
では、今回ニュースに取り上げ
られている騒動について見てみよう。
親会社であるヤフーが、連結の
子会社であるアスクルの社長退任を
求め、それにアスクルが反発している
という内容だ。
そもそも、ヤフーはどうして
アスクル社長の退任を要求したのか。
それは、連結子会社となっている
アスクルの業績が数年に渡り
思わしくないからだ。
企業の業績の責任は、すべて
トップの責任。
業績が悪ければ、業績を良くできる
手腕を持つ経営者と交換する
という流れは、別に不思議でもない。
ヤフー側も、最初は温厚な態度だった。
それは、アスクルに対して残りの
株式を取得し、完全子会社化を模索。
ところが、アスクル側が完全子会社化を
拒否した。自分たちでやるし、と。
自分たちでやる意思はいいが、業績が
悪化することで親会社のヤフーにまで
影響が及ぶ。
なので、親会社のヤフーはアスクルに
対して、社長交代を要求した。
この流れを見る限りで、私の
個人的な意見も入れて要約する。
成績の悪い子供に対して、
親が「ちゃんと勉強しなさい!」
と叱った。
子供は、「ちゃんとするし!」と
反抗して見せたが、一向に勉強を
する気配がない。
業を煮やした親は、子供の学校を
転校させることを無理やりしようとした。
すると子供が、「そこまで
勝手なことするなよ!」と
怒っている。
あくまでたとえ話だが、こんな
内容で大方合っているだろう。
さて、そんな流れだとすれば、
勉強しない子供が悪いのか。
それとも、横暴な親が悪いのか。
個人的な意見は分かれるところかも
しれないが、資本主義社会で
考えると、親の言うことは絶対。
騒動も、親の意向に沿って
進むだろうし、騒動というよりも
決まりきった喧嘩の様子だ。
さて、今後の動向次第では
アスクルは株式市場から
姿を消すかもしれない。