またもや決算シーズンの話題。
今度は東芝から。
あれほど世間を騒がせた
東芝の決算発表が行われた。
しかも、過去最高。
一体どういうことだろうか。
東芝の決算数字
上場廃止まで囁かれていた
東芝の前期の赤字額は
約1兆円弱。
それが、今回の決算では
1兆円弱の黒字に。
数字が馬鹿でかいので
意味不明なものに。
こんな簡単に利益って上がるの?
と疑問に思ってしまう。
「あぁ、子会社の東芝メモリを
売却したからでしょ?」
と思った方もいると思うが、
そうではない。
今回の決算では、東芝メモリの
売却はまだ実現していない。
にも関わらず、大幅な利益を
出せた理由は、別にあった。
それは、アメリカの原発事業で
先に購入していた債券を
売却したことにあった。
別の言い方で言えば、
米国の原発事業に参入する際に、
多くの債券を買わされていた、
ということになる。
本業での利益もちゃんと出ている
今回の決算では、東芝メモリという
優秀な子会社の決算は外している。
それでも、本業での儲けを示す
営業利益は640億円。
ちなみに、東芝メモリの
利益を足した営業利益は、
前期でも約1,600億円あった。
営業利益で約1,000億円を
稼いでいた、優秀な子会社
という形だった。
子会社を売却予定なので
今回の決算からは外れているが、
それでも600億円を超える利益は
だせている。
そもそも、債務超過に陥っていた
経緯は、企業買収による
のれん代や減損処理という、
本業ではないところでの赤字だった。
これまた別の言い方にすれば、
余計なことをしなければ
ちゃんと利益が出せる企業、
ということになる。
今後の東芝はどうなる?
今回の決算発表で、東芝は
来期の予想数字も発表している。
それによれば、今期に東芝メモリの
売却が完了する予定なので、
またもや過去最高の1兆700億円を見込む。
「なーんだ、東芝、大丈夫なのね」
と思ってはいけない。
問題は、その後だ。
東芝メモリ売却分の
翌年からのこと。
毎年1,000億円もの利益を
稼ぎ出していた子会社がなくなる。
スラムダンクで言えば、稼ぎ頭の
流川楓が抜けるようなもの。
まぁ、例えが古いのはご勘弁を。
とにかく、企業価値が大幅に下がり、
大企業としては正念場を迎えることになる。
売上高は3兆円を超えるので、
今から本格的なリストラなどの
経営改善策が打ち出されるだろう。
投資対象としては不鮮明な銘柄と
なるが、高収益体質に改善できれば
東芝の復活が見えてくるかも。