仮想通貨取引のコインチェックで
580億円相当の仮想通貨が
不正送金された。
一言で言えば「盗まれた」
わけだが、その内容を
今一度確認しておこう。
狙われたのはNEM
コインチェックで取引できる
仮想通貨の種類は13。
その中の一つであるNEM(ネム)は、
通貨の名称でいうとXEM(ゼム)で、
これらは同じ仮想通貨を指す。
New Economy Movement(新しい経済運動)
の言葉の頭文字を取ったもので、
比較的人気の高い仮想通貨のひとつ。
発行者に利益が偏らないように
という発想のもとで造られた
注目株の仮想通貨。
ここ1年間では20円前後の価格から
240円前後までの値上がりをみせていた。
そして、狙われた取引所は
国内でも取引量が第2位の
コインチェック社。
ニュース報道でもでていたが、
27歳という若さの創業者。
なぜ狙われたのか。
保管の安全性に問題
仮想通貨の保管方法が
甘く、そこを狙われた。
銀行で例えてみよう。
※実際の銀行はこんなことは
していないので、あしからず。
消費者が預けた現金は、
通常はその支店やATMに
置いておくことはせずに、
セキュリティの高い本部の金庫に入れる。
ところが、コインチェック社では
本部の金庫まで持っていくことを
しなかった。
お札は本部金庫に持っていっていたが、
500円玉は各支店で保管していた。
セキュリティの高い本部の
金庫はさすがに狙われなかったが、
支店の金庫は別。
銀行強盗は、支店管理の500円玉を
狙って犯行に及んだ。
コインチェック社は、今までサイトなどでも
「本部の金庫で保管しますよ」と
うたっていた。
しかし、500円玉くらいならいっか、
だって重たいもん、というような
理由で支店管理を続けていた。
それをどこかで知った強盗集団は、
チャンスとばかりに狙った、という感じ。
過去にもあった
4年ほど前に、同じように
ビットコインが流出した事件があった。
マウントゴックスという取引所で、
現在は破綻している。
当時は約470億円分のビットコインで、
取引所が破綻したことで利用者への
返金等は行われなかった。
つまり、利用者はまるまる損、ということ。
今回のコインチェック社は全額返金を
発表したようだが、まだ分からない。
そして、今回の被害総額は580億円分と、
過去最大の金額として注目を集める。
マウントゴックスの二の舞い、
と言われているが、大きく違う点も。
安全性の高い通貨
取引所管理の甘さを突かれたが、
今回の対象の通貨はNEM。
ビットコインとの違いを簡単に
説明すると、取引ごとの
記録が残るということ。
不正送金された記録も当然残って
いるが、これが現金化されれば
すぐに発覚するんだとか。
つまり、盗んだ側も使おうと
思って何かしらの取引を
行おうとすれば、バレる。
闇取引のように、足がつかないように
物々交換での密売取引を行う、
などの行為が出来ない。
NEMを創出した協会は、
この「換金」時には特定できると
している。
しかし、いつ換金されるかも
分からない。
当面はコインチェック社が
自己資金にて返還をすると
発表しているが、原資があればの話。
過去に流出したマウントゴックス社は
流出からわずか数ヶ月で破綻した。
利用者も相当な数にのぼる
コインチェック社が破綻する
懸念が広がり、不安を見せている。
仮想通貨のリスクが表面化した
事件。今後の動向に注目したい。