銀行を利用していない人は、
おそらくいないはず。
それほど当たり前の業種で、
生活に密着した存在。
銀行を利用する側は何も思わないが、
企業として見た場合には、一般企業と
少し異なる部分がある。
さて、銀行は何で儲けているのか。
どんな銀行があるのか。
銀行業界全体
まずは銀行業界の話から。
大手3行が「メガバンク」と呼ばれ、
俗的な言い方だが、大きい。
三菱東京UFJ、三井住友、みずほ。
この3つがメガバンクで、誰でも
聞いたことがあるような銀行。
そして、地方銀行はというと、
各都道府県に1〜3行程度存在し、
地元密着を武器に展開している。
第一地銀と第二地銀合わせて
全国で105の登録がある。
それ以外にも、最近になって
銀行業を始めた会社がある。
楽天銀行やイオン銀行がそれにあたり、
金融庁の登録上は「その他」にあたる。
その他の登録銀行は14ある。
銀行の基本収益モデルは?
では、銀行がどうやって儲けているのか。
収益源はいくつかあるが、
メインとなる収益モデルは、
「融資」。要は、金貸し。
銀行の決算報告書などを見ると、
「貸出残高」なるものが記載されている。
地方銀行レベルでも、貸出残高が
2,000億円とか、そんな感じ。
個人・法人に限らずお金を貸して、
金利を収益の柱としている。
仮に2,000億円の貸出残高があり、
金利を平均3%とっていたとしよう。
2,000億円の3%にあたる60億円が、
毎年何もしなくても入ってくる収入となる。
このビジネスモデルの素晴らしいところは、
一旦融資を行えば手がかからないことと、
元手となる資金は、一般消費者からタダ同然で
集められること。
リスクは融資先の倒産・破産による
貸し倒れ。返してもらいさえすれば、
収益しか残らない。
基本モデル以外も?
融資による金利収益以外にも、
投資信託などの販売手数料や
国債・株式などの運用益もある。
しかし、やはり融資がメイン、が今までの銀行。
そして、最近の銀行は少し様変わりしている。
例えばセブン銀行。融資は一切行わず、
コンビニなどに設置したATMによる
手数料収益のみ。
通常の銀行は「貸出残高」や「預かり資産」
などが重要になるが、セブン銀行は関係無い。
ビジネスモデルの全く違う銀行が
誕生している。
銀行は人件費などの固定費が大きい
セブン銀行はおいておいて、通常の銀行は
人件費が一般企業に比べて高い。
支店もたくさんあり、不動産による
固定費も大きい。
一方、ネット専業の銀行は、そこまでの
人数が必要なく、支店も必要ない。
楽天銀行などは、ネットによる融資の
申込みのみで、経費は通常の銀行に
比べるとはるかに低い。
地方銀行は、重くのしかかる固定費に
加えて、日銀のマイナス金利政策の
煽りを受け、厳しい経営状況が続く。
融資先も、地域内の企業だけでは
貸出残高が増えないので、都市圏に
支店を出し、融資先の発掘を行う。
厳しい経営環境の中で、近隣の銀行と
統合するといった、業界内再編の動きも
加速する。
利用者目線と投資家目線で見方が違う
銀行に限らずだが、投資家目線で
見るのと、利用者目線で見るのと
では見え方が全く違う。
あなたが地元銀行の株主になっている
としたら、支店内にあぶれている人員に
腹をたてることだろう。
きらびやかな本社社屋にも腹を立てる。
融資先への金利の低さにも腹を立てる。
今までとは異なった目線で銀行を見ると、
新しい世界が見えてくる。実に面白い。
お金の流れに必ず登場するのが銀行
なので、その中身を知っておくことは、
お金の勉強でも不可欠なことだ。