様々な報道で取り沙汰されて
いる、ソフトバンク上場。
誰もが知る企業であることと、
その規模感が話題に。
内容をおさらいしておこう。
上場の経緯
ソフトバンクといえば、
携帯電話キャリア大手。
ドコモ、AUと並ぶトップ3で、
誰もが知る企業。
そんなソフトバンク、今まで
上場してなかったの?と
思う方も多い。
上場している企業は、ソフトバンク
グループと呼ばれる持株会社。
その傘下に携帯電話事業があると
いう構図で、直接の上場はして
いなかった。
それを、今さら?と思うかも
しれない。
グループの代表を務める孫正義氏
によると、今回の上場で得る資金を
投資事業にまわしていくんだとか。
さて、その内容を詳しく見ていこう。
上場詳細
上場の日程は12月19日の予定。
東証のどこかの市場で、まぁ
東証1部になるだろう。
正式な売出しの金額は決まって
いないが、おそらく1500円程度に
なるだろうとのソフトバンクの予想。
その金額で計算すると、資金調達の
額は実に2兆6000億円になるとのこと。
ソフトバンクグループが全株を
保有するが、そのうちの約4割に
あたる株数を放出する。
100%子会社から、60%子会社に
変わるわけだが、まぁそれでも
子会社には違いない。
過去に上場した企業で、最も
資金調達額の大きかった企業が
NTTの2.3兆円。
それを上回る、史上最大の大型の
新規上場なだけに注目を浴びている。
本来なら「親子上場」という
形式となり、東証が嫌がる内容。
というのも、親子上場の場合には
当然ながら経営のつながりがあり、
親会社のために子会社が動く、と
いう利益相反の原因になると言われている。
今回の上場承認は、東証の判断。
親子上場になっても利益相反に
なりにくいと判断したらしい。
市場への影響
これだけの大型上場になると、
必ず言われることがある。
それは、「資金吸収額」という
考え方。
お金の流れを説明するときに、
上場する企業は株を売る。
その株を買うのは投資家だが、
投資家はその株を買うために
資金を用意する。
株をやったことがない方が
新たに買う場合には新規資金と
なるが、そればかりではない。
いつも株で運用している人たちが、
いざソフトバンクの株を買おうと
思えば、保有している株を売って
現金化することで購入資金に充てる。
そんな動きが、大型上場案件に
なればなるほど大きくなる。
なので、上場前の相場は買いよりも
売りのほうが多くなる傾向にあり、
結果相場全体が下がるという見方も。
なので、市場全体で見れば
あまりいいことでもない。
買うべき?買わないべき?
投資判断はもちろん自己責任で
行うべきだが、それではこの
新規上場に乗るべきかどうか。
おそらく、証券会社から勧められる
場面が多くなると予想するので、
一つの見方を紹介しておこう。
まず、売出しの価格が決定する際に
その価格が適正なのかどうか。
これは、目論見書と呼ばれる
冊子に目を通さないと判断できない。
証券会社は間違いなく「買い」を
推奨してくるので、鵜呑みにしないこと。
それを踏まえて、今度は携帯電話の
市場の未来を考えてみる。
マイナス要因は楽天の新規参入、
携帯電話料金の引き下げなど。
プラス要因は、順調に増える
契約者数の増加や、安定した
利用者の利用料金。
既に安定期に入っている企業な
だけに、今から大化けは期待
できそうにない。
しかし、長期的な資産形成には
使えるかもしれない。
どちらにしても、期限はすぐそこ。
IPOとしての投資でもいいが、
新規だといって飛び乗る場面でもない。
さて、大型案件が市場にどんな
影響を与えていくだろうか。