4月1日から大阪の市営地下鉄が
民営化されたのはご存知か。
何がどう変わったのか。
今後、何が変わる予定なのか。
そもそも、なぜ民営化されたのか。
今日はそんな記事から。
大阪地下鉄の民営化の経緯
もともと話は出ていた。ただ、
民営化の仕方に様々な議論があった。
鉄道自体は市の保有として、
運営のみを民間に委託する方法や、
分けずにすべてを民営化する方法など。
2011年頃に大阪市長となった橋下徹氏の
流れもあり、すべて民営化の流れになった。
詳細は議論を重ね、はれて
今年4月1日から民営化となったわけだ。
ところで、「民営化」と聞いて
どんな会社を思い浮かぶだろうか。
郵便局、JR、JT。
NTTも民営化した元国営企業。
あまり表に出ない業種で言えば、
鉄鋼会社や石油会社もそう。
そもそもなんで民営化するの?
大きなインフラを伴うものや、
国単位での取引が必要なものが
国営で進められ、安定したので
民営化に踏み切ってきた。
大きな投資が必要なもので、
それでいて回収に長い期間が
かかるようなものを、国営、つまり
税金の投入で進められる。
一定の投資が終わり、回収期に
入れば、あとはその事業を
継続していくだけ。
「別に国営のままでもいいんじゃないの?」
と、私は思った。皆さんはどうだろうか。
実は、これには法律が絡む。
国が運営、つまり税金が投入される
企業に関しては、それ以外の新規事業を
することが出来ない。
新規事業をしないということは、
現在の収入だけでやっていかなければ
ならないということ。
別にいいじゃん、と思うかもしれないが、
企業経営はそんなに甘くない。
人件費や燃料費は年々増加し、
業種にもよるが需要が減るものも
多く存在する。
通常の企業であれば、本業に
陰りが見え始めると、新規事業に
手を出し始める。生き残るためだ。
それが、国営のままでは出来ない。
だから、民営化されるのだ。
今回の市営地下鉄も、ピーク時に
比べて約15%減の乗車率だそう。
今後の存続を考える上でも、
法律の呪縛から開放しないと
生き残れない。
民営化は、別名「法律からの
開放」と、私の中では勝手に呼んでいる。
何が変わる?
民営化すれば、当然ながら
利益を追求する株式会社となる。
利益を追求しなければならず、
現在保有するサービスや資産を
更に活用して収益を上げる
必要に迫られる。
売上を上げるためには、
顧客数を増やす、顧客頻度を
上げる、そして顧客単価を
上げる、のどれかが必要。
民営化した企業は、自分たちの
頭を捻りながら売上アップを目指す。
時には運賃を下げてでも顧客数を
増やす。
時には、単純に値上げを行う。
時には、イベントなどを行い
既存顧客に再度サービスを利用してもらう。
簡単に言えば、企業は売上アップの
ために顧客サービスの充実を
図るわけだ。
ただ、綺麗事のように聞こえる場合も。
なぜなら、売上が極端に下がるわけでは
ないし、目先での倒産はない。
仮に倒産しそうになれば、
インフラということもあり
国が手助けをする。そう、東京電力のように。
民営化された企業から国営の気持ちを
無くしていくことはそうそう簡単な
ことではないが、その一歩が民営化
だと思えばいいだろう。
民営化された企業の
経営努力を期待したい。