個人売買を牽引した「メルカリ」が
東証に上場を申請したことが
ニュースで報じられた。
テレビCMも盛んで、認知度も高い。
手軽に出品できることと、
決済の間に入る安全対策が
支持を得ている。
しかし、メルカリ側は
この報道を否定した。
「そのような事実はない」と。
上場するかどうかは
別問題として、再度メルカリの
ビジネスをみてみよう。
ビジネスモデルと戦略の概要
簡単に言えば、個人間で
売買された金額の10%を
手数料として徴収するビジネス。
まぁ、分かりやすいと言えば
分かりやすい。
私が1,000円で自分の服を出品し、
売れたら手元には900円が残り、
100円はメルカリの手数料となる。
上場企業ではないので
正確な数字は公表されていないが、
月間で100億円以上の取り扱いがあるという。
仮に月に100億円の取り扱いがあれば、
単純計算で月に10億円の利益。
個人間の売買としては、
Yahooが提供する「ヤフオク」
などが引率した。
しかし、メルカリは同じ土俵だが
スマホに特化したことで独自の
顧客獲得を実現した。
海外展開に注力
国内の伸びは依然として好調を
持続するが、次なる海外展開も
既に始動している。
メルカリが日本でスタートしたのが
2013年7月。
そのわずか1年2ヶ月後の
2014年9月、アメリカでも
サービスを開始している。
そして2016年、今度はイギリスでも
サービスの提供を開始。
ある程度の仕組みができあがって
いるので、海外展開はしやすい。
勝手にLINEと比較(思いっきり私見です)
LINEも上場をしているが、
新規上場した際にはそこまで
価格が上がらなかった。
大型ということもあるだろうが、
メルカリが近々に上場すると仮定すると
大きな違いは「時期」だと思う。
LINEが上場する際には、既に
様々な国で利用されていた。
上場後の収益増加は、利用者の増加
よりも、客単価の上昇が必要。
対してメルカリは、今の段階で
上場が決定すれば、海外展開を
更にすすめることになる。
今後の顧客数の伸びが期待され、
それに伴う顧客単価の上昇は
その次の一手となる。
つまり、顧客数でいえば
LINEは成熟に近く、
メルカリは成長途中。
顧客単価の上昇に関しては、
LINEは成長途中、
メルカリはスタートにもたっていない。
先の伸びしろが大きいのは
メルカリかなとも思う。
懸念もある
上場申請をしたとしても、
最終的に承認するかどうかは、
東京証券取引所の判断による。
そして、メルカリは個人情報流出の
不祥事があったりと、内部管理体制の
不安視がされている。
最近では特に企業内統治が
叫ばれているので、ここを突かれる
ことはあるだろう。
さらに、通販市場では避けて通れない
配送の問題。
ヤマト運輸と協業でらくらくメルカリ便を
提供しているが、ヤマト運輸は
Amazonとの提携解消以来、
運賃引き上げを行っている。
個人間売買でも、運賃が高くつけば
流通のストッパーになりかねない。
ベンチャーキャピタルから資金の
受け入れを行っているので、時期は
未定だが上場は目論んでいるはず。
あとは時期だが、LINEの時も上場を
延期するなど、上場に関しては混迷した。
企業側は、出来るだけたくさんの
資金を集めたいので、それなりに
評価される売上までもっていって
からの上場を希望する。
仲介する証券会社は、新規で公開した
後の上がり幅が大きい方が、顧客に
喜ばれる。
今回の報道は否定したが、
近々にもメルカリ上場の話は
出てくるだろう。