10日午前、auから新料金プランの
公式な発表が行われた。
細かい数字は割愛するが、1年目は
既存プランの半額、2年目以降も
3分の2の料金体系。
auのユーザーには嬉しい話だが、
この新料金プランで泣く人もいる。
新料金プランで企業収益悪化の懸念が
今までの高収益体質を維持できない。
業績に与える影響が懸念され、
auを展開するKDDIの株価は下落した。
高収益を捨ててまで値下げに踏み切った
背景には、格安スマホの存在がある。
スマホユーザーは、格安スマホに
乗り換えを行い、少しでも月額の出費を
減らそうと躍起になっている。
格安スマホのメーカーが契約数を
伸ばす中、既存のキャリアである
Docomo、au、ソフトバンクの
解約数も伸びている。
契約の減少に歯止めがかからず、
格安スマホの料金体系に
合わせて迎え撃つ格好だ。
さて、それでは格安スマホの
会社をみてみよう。
よくよく調べてみると、おかしな点に
気づく。
格安スマホの会社
テレビCMなどもバンバン行っているので、
知名度はある程度もっている。
例えば、UQモバイル。
綺麗な女優さんがガチャピンと
ムックと一緒に出ているCMは
頭に残る。
Y!mobileなども有名。
そして、楽天モバイルや
イオンモバイルなども存在する。
そして、おかしな点がこちら。
実は、最初に挙げたUQモバイルは、
KDDIの子会社。
グループ全体で見れば、UQモバイルが
儲かってもauが儲かっても、
親会社のKDDIが儲かる。
そして、そもそもの話だが
格安スマホの仕組みとして、
DocomoやKDDIが持っている
既存の回線を利用して低価格で提供している。
つまり、格安スマホが使われれば
使われるほど、回線の大元である
DocomoやKDDIは儲かるのだ。
なので、わざわざ自社ブランドの
価格を下げなくても、子会社や
別の格安スマホ会社に頑張ってもらえば
収益は上がる。
それなのに、せっかくの高収益の
自社ブランドを低価格化したことに
疑問を感じずにはいられない。
値下げしても直接の契約が儲かる
月額2,000円のサービスだとしよう。
格安スマホの会社が契約すれば、
そのうちのどれだけかは
格安スマホの会社の利益になる。
つまり、回線大元の収益は
2,000円以下となる。
一方、2,000円でもKDDIなどが
消費者と直接契約すれば、
まるまる利益になる。
高価格帯のままで契約が流出している
現状を見ると、価格を下げてでも
直接の契約を残したいという思惑。
さらに、直接の契約にすることで、
契約者に対して別のサービスを
提供することが可能になる。
KDDIでは、契約者を対象に
保険の販売などもおこなっている。
目先の収益は悪化する?
株価が下落したのも、目先の収益が
悪化するという懸念から。
しかし、上述したように直接の
契約さえ残しておけば既存契約者に
対して二次的に商売ができる。
今回の報道を受けて株を売却した人は、
長い目では見られない投資家だろう。
中期的なスパンで株を保有できる
人であれば、逆に下がったところを
買っておくのは選択肢の一つ。
回線の大元を保有しているDocomoとKDDIは、
インフラ企業。やはり強い。